総長さんが甘やかしてくる①(※イラストあり)
「君は意外と小悪魔だな」
「え!?」
「……いや」
顔を、大きな手で覆う愁さん。
「……ユウは……俺の、妹。……妹」
(唱えている!?)
「君の話も」
「!」
「……その。幻に話していないくらいだ。とても言いにくいものなのかもしれないが。打ち明けることでラクになるなら話せ」
「…………」
「も、もちろん無理にとは言わない。幻の知らないこと聞いてあいつに恨まれそうだが、秘密は絶対に守る。言わないで欲しいことは墓場まで持っていく覚悟で聞こう。俺は君に吐き出し、それを受け入れられたことで驚くくらいに心が軽くなっている……。それを君にも感じてもらえればいいと思っただけだ」
「ありがとうございます。愁さん」
「そ、それじゃあ。火の元にはくれぐれも気をつけるように。俺が帰るか幻が迎えに来るまでは、玄関は開けるんじゃないぞ。俺が出たら扉にはチェーンをかけておくこと」
「はい!」
「よろしい。……はあ。今日も優等生やってくるか」
そういった愁さんの目に
ほのかに光が灯ったように感じたのが
勘違いなんかじゃないといいな、と思わずにはいられなかった。