総長さんが甘やかしてくる①(※イラストあり)
そんな感じで午前中は洗濯とお風呂掃除から始まった。
愁さん、朝食に使った食器は自分できちんと洗って行ってしまったし。
綺麗すぎて掃除のしがいもない。
夕食のメニューは決めていたので、下ごしらえも済ませる。
(幻さんと愁さんと三人でご飯食べたいな……!)
作り過ぎたら明日また食べればいいし、少し多めに作ろう。
燐さんも呼びたいなあ。
わたしのために、色々買ってきてくれた中に、サニタリー用品があったのにはビックリした。
そこまで気づいてくれるなんてすごい配慮というか。
ほんとに女の子の気持ちがよくわかっていそう。
燐さんは――わたしの秘密を知っている。
幻さんにも、愁さんにも、言えていないことを。
言わずに黙ってくれている。
みんなの前では『へんなやつらに絡まれてて』と言ってくれた。
たしかにわたしは男のひとに声をかけられて困っていて。
そこを、燐さんに助けてもらった。
けれどナンパされたわけじゃない。
燐さんが昨日の夜わたしを助けてくれたのは
本当は、もっと別のことでだったんだ。