総長さんが甘やかしてくる①(※イラストあり)
『かーらーすー』
『なぜ泣くのー』
――イジメというものは、底なしだ。
やることが違っても。相手が変わっても。
いつの時代も繰り返されてきたのではないだろうか。
気に食わない。自分より弱い。
……羨ましい。
理由なんて様々で。なくてもよくて。
誰でもよかったんだろう。
ターゲットを決めていたぶる。
飽きるまで
……または、壊れるまで。
繰り返される。
そんなイジメに、わたしは、巻き込まれた。
家でも学校でも。
わたしに居場所なんてなかった。
(もう、放っておいてよ)
『カラスはやーまーにー』
『きゃはは! 夕暮れのカラスなんておかしな名前!』
『はやく山にかえれば?』
お嬢様たちのストレスの捌け口
イジメは、そんなものにさえなるんだ。
『あたし知ってるよ。××さん本当の親いないんでしょ。美人な親戚に養ってもらってるんだよね。しかもイケメン二人と住んでるとか』
『えー、なにそれ。こんな小汚いカラスが?』
『紹介しなさいよ。っていうかお金いくらでもあるのに、なんでそんなダサいの。イケメン兄弟が可哀相』