総長さんが甘やかしてくる①(※イラストあり)
天使の声のボリュームが、がくっと落ちた。
『残された家族はどうでもいいんだ』
『は?……なんだって?』
『カワイソウ。子供は親を選べないんだよ』
『聞こえない。もっと、大きな声で――』
『ねえ、オジサン。ボクの“おともだち”になる?』
『……友達?』
『なるなら仲良くしてあげる。この電話、今すぐ切ってあげる。おともだち、だから』
するとオジサンは――、天使に土下座した。
“友達にして下さい”と。
『ハーイ。今日からオジサン、ボクのおともだちだよ。よろしくね』
『……君は一体……』
『あは。ただの飼い猫さ』
――これが、
燐さんとわたしの出会いのすべてだ。