総長さんが甘やかしてくる①(※イラストあり)


「やっぱり、よく眠ってご飯をしっかり食べるって大事ですね」

「なんの話かサッパリなんだが」

「昨日わたし、いっぱい眠ったんです。それにご飯だって。いーっぱい食べたんですよ。そして、あたたかいお風呂に入りました」

「……だから?」

「だから、体力ついたんだなって。これからも健康に気遣っていこうと思います。ここで迷惑をかけないためにも!」


一番弟子さんは、少し間をあけたあと


「……ワケありか」と、つぶやいた。


「え?」

「能天気そうに見えんのにな」

「!?」

「それと。俺、若くねぇよ」

「……?」

「26つったら。お前から見たらオッサンじゃねーの」


……じゅ、


「11歳年上!?」

「あ? なんだよその反応」


てっきり未成年だと思いました。


「……童顔、ですね」

「お前に言われたくないわ。スミレが血迷って小学生雇ったかと思ったわ」


小学生はオーバーすぎやしませんか。

そしてあなたが超童顔ということも譲りたくない。


もしも最初に年を聞いていたら、少しは壁を感じていただろうか。大人の男性との接し方がわからなくて。


失礼を承知でいうと


(……お弟子さんが童顔で良かった)


なんて声に出したら傷つけてしまうかもしれないし。

既に逆鱗に触れてしまった空気が流れているので今後彼の前で【童顔】は禁止ワードに違いないと思った。

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