総長さんが甘やかしてくる①(※イラストあり)
うーん。
仲良くなるには時間がかかりそう。
でも、待てよ。
これまで入った子が辞めていったということは……。
「わたしが一番弟子さんの一番弟子?」
「お前が? 俺の?」
「はい!」
ギロリと睨まれる。
「……1ミリも期待できねえ」
「え、してくれていいですよ」
「続くと思ってねえし」
「そんなぁ……!」
根性ないように見えるのかな、わたし。
「さっきの話」
「?」
どの話でしょうか。
サトルさんがわたしから視線を外したまま、続ける。
「あくまで俺の場合な?」
「は、はい」
「俺だったらあんな朝っぱらから送るなんて面倒なことしねえし。迎えにも来ない」
「…………」
「惚れてなければな」
――!
ひょっとしてサトルさんって。
冷たいし、口が悪いし、眉間のシワはなくならないけれど。
本当は、めちゃくちゃ優しい人なんじゃ……?
「はあ。俺に青春トークさせんな。次からは仕事に関することだけ聞いてこい」
「は、はい! 師匠!」
「師匠いうな」