総長さんが甘やかしてくる①(※イラストあり)

幻さんにかわいがってもらえるのは、嬉しい。

幻さんから特別をもらえるのが、嬉しい。


(相思相愛って思ってもいいですか)


今日、勇気を出して聞いてみようか。

わたしへの気持ちがどういうものなのか、ということを。


「……あ」

「どうした」

「このへんに文房具屋さんってありますか」

「なにが必要なんだ?」

「仕事で教わったことメモする紙とペンが……」


いつなにを教えてもらえるかわからないけど、聞いたことはメモしようと思う。


「ああ。そんなもん」


愁さんが立ち上がり、部屋に向かう。


ゆっくりしてもらうつもりが。

歩き回らせてしまった……!


少しして

なにか手に持ち戻ってきた愁さん。


「なんでもいいなら、俺のやる」


そういって渡されたのはノートとペンだった。


青いノートは持ち歩くのに便利なコンパクトサイズで

黒赤青の三色に切り替えらえるボールペンはメモをとるのに色分けができる。


「いいんですか?」

「勤勉な学生だからな。この類のものなら腐るほど持ってる」

「ありがとうございます……!」

「給料入るからってなんでも自分で買ってたらすぐに底つきるぞ。そこんとこ考えて、ちゃんと管理しろよ? 貰えるもんは貰っとけ」

「愁さん……。本当に、ありがとうございます」


< 191 / 258 >

この作品をシェア

pagetop