総長さんが甘やかしてくる①(※イラストあり)
幻さんにかわいがってもらえるのは、嬉しい。
幻さんから特別をもらえるのが、嬉しい。
(相思相愛って思ってもいいですか)
今日、勇気を出して聞いてみようか。
わたしへの気持ちがどういうものなのか、ということを。
「……あ」
「どうした」
「このへんに文房具屋さんってありますか」
「なにが必要なんだ?」
「仕事で教わったことメモする紙とペンが……」
いつなにを教えてもらえるかわからないけど、聞いたことはメモしようと思う。
「ああ。そんなもん」
愁さんが立ち上がり、部屋に向かう。
ゆっくりしてもらうつもりが。
歩き回らせてしまった……!
少しして
なにか手に持ち戻ってきた愁さん。
「なんでもいいなら、俺のやる」
そういって渡されたのはノートとペンだった。
青いノートは持ち歩くのに便利なコンパクトサイズで
黒赤青の三色に切り替えらえるボールペンはメモをとるのに色分けができる。
「いいんですか?」
「勤勉な学生だからな。この類のものなら腐るほど持ってる」
「ありがとうございます……!」
「給料入るからってなんでも自分で買ってたらすぐに底つきるぞ。そこんとこ考えて、ちゃんと管理しろよ? 貰えるもんは貰っとけ」
「愁さん……。本当に、ありがとうございます」