総長さんが甘やかしてくる①(※イラストあり)
――どれくらい眠ったろう。
ううん、眠ったというよりは
気絶していた感覚に近い気がした。
「……つかれた……」
だけど、とても充実した時間だった。
リビングが真っ暗だ。もう夜なのだろう。
窓から見える夜景がキラキラと輝きを放つ。
「電気……つけなきゃ」
ふと、
自分に毛布がかけられていることに気づく
(……これ)
おかしいな。
かけた覚えがない。
夕食は、ポトフを作った。
パンに合うかなと思って。
そして、ちょっとかけたこのソファで
眠るつもりがなかったのに寝てしまったんだ。
ガチャ。
風呂場に続く扉が、開く。
(……愁さん?)
「起きたか」
その声は。
「幻さん、来てたんですね。お疲れ様です!」
マヌケな顔して眠ってなかったかな。
「あれ……幻さん……その格好」
黒の、バスローブ。