総長さんが甘やかしてくる①(※イラストあり)
薄明かりの中、濡れた髪にバスローブでこっちへ近づいてくる幻さんがセクシーすぎて目のやり場に困る。
「ご飯、できてますよ。温め直せばすぐに食べられます」
起き上がり
キッチンに向かおうとしたとき。
「……っ!」
後ろから優しく包み込まれ、身動きが取れなくなる。
「あの、わたし……お風呂まだなんです」
「入ってくるか」
「というか。……汗臭いと思うのですが」
離れてもらってもいいですか!?
せっかくお風呂に入ってサッパリしたところなのに、汚れてしまいますよ。
「へえ」
「だっ……だめです。嗅いじゃだめです……!」
「はは。夕烏の香りならなんでも大歓迎だ」
(わたしが困るんです……!)
「そういえば、愁さんは?」
「走りに出てる」
「あ、そうなんですね。それならよかったです」
こんなに騒いでちゃ、勉強の邪魔になるもんね。
「安心してる場合か」
「え?」
「俺と二人きりで。そんなに安心していていいのか?」