総長さんが甘やかしてくる①(※イラストあり)
「夕烏?」
「…………」
幻さんの顔を間近に眺めながらそんなことを聞く勇気がない。
“面倒をみる”ってことは。
言い方を変えれば、恋心にはならないってことなのかもしれない。
わたし、色気ないし。
まだまだ子供だし。
……おっぱい見られたあとも普通だったし。
というかブラさらっと外しちゃうし。
キスも、躊躇いなくしちゃうし。
そのあと烏龍茶とコーラ混ぜたら美味しいってからかってきたし。
「夕烏」
「ちょ……幻、さん……?」
シャツのボタンが一つ、外される。
「お前のことだから。あまり派手なものは好みそうにないな」
買ってもらったブラのことだ。
そうだ、わたし、
見せてって言われてたんだ――!
「色はきっと、淡いものだ。たとえば桜色のような」
「……まるで選ぶところを見ていたみたいですね」
「ということは、当たったようだな」
ボタンが全部外され、胸元が露わになる。
「……どう、ですか」
「いいんじゃないか。もう苦しそうじゃないしな」
「健康チェックみたいですね」
「それも兼ねているが。今は、好奇心が勝っている」
「え?」
「綺麗だ、夕烏」
――!
「こんな姿。誰にも見せたくない」
「見せませんよ……」
「さて。俺と二人きりのこの家で。俺の前でこんなに無防備になったお前は、今から俺になにをされると思う?」
「……!!」
「夜はまだまだ長い」
そういってわたしを見つめてくる幻さんの瞳にはやくも溺れてしまいそう。
やがて、ゆっくりと顔が近づいてくる。
「……あの。幻さん?」
キス、しないのかな。
唇が触れそうで触れない距離で、ピタリと動きを止めてしまった。
「夕烏からしてみろ」