総長さんが甘やかしてくる①(※イラストあり)
だから――。
「お待たせ」
ひとりの女の子を、
知り合いのフリして助けたついでに
幻のところに連れて行ったのも。
やっぱりいつもの思いつきでしかなくて。
たいしたアクションじゃなくて。
それが、爆弾投下になるとは思わなくて――。
「……幻?」
別人みたいな幻の顔が見れることになるとは
考えもしなかったんだけどさあ。
今思えば、あの瞬間には、
幻はネジが外れちゃってたんだよね。
《Side.成田燐》