総長さんが甘やかしてくる①(※イラストあり)
「サトルさんって、ツッコミ担当って感じです」
「好きでしてるわけじゃねえよ。……ツッコミどころしかねーわ」
サトルさんは、わたしに教えてくれないのかな。
……知りたいけど、どう知ればいいかわからないこと。
「一度は、大人な雰囲気になりそうだったのが、ウソのように。甘くて優しい彼と、朝まで一緒に眠りました。腕枕をしてくれて、わたしの初出勤時の話を相づちをしながら聞いてくれて……気づいたらわたし、彼より先に眠っていて。起きて、彼の腕の中にいまして。ひょっとしたらこの一連の流れが抱くってこと……? と困惑しました」
「ちげえわ。カレシが不憫になってきた。相当我慢させてんぞそれ」
(……ガマン?)
「そ……それでもいっぱいいっぱいで。大好きな人と眠ることは、こんなにドキドキするのだな痛感させられました。朝起きたら彼が隣にいて、このまま離れたくないって感じのことを言ってくれて、こんなに幸せでいいのかと考えてしまいました」
「俺はいつまでお前の夏休みの絵日記のような物語を聞かされる? そしてゲンさんは仙人かなにかか?」
「悩んでるんですよ。これでも、色々と」
ガマン、かあ。
幻さんにガッカリさせてしまったのかな。