総長さんが甘やかしてくる①(※イラストあり)
「もう同じ失敗を繰り返したくないです」
「急がなくてもいいと思うけど」
「え?」
「わけわかってねえんだろ。男女の……ハウツーを。そんな状態のお前の気持ちを無視して強引にことを進めるような男だったら、それはそれで問題だ」
「強引では……ないです!」
「なら、なるようになるだろ。周りのカップルがどうとか世の中とか考えるんじゃなくて、お前のペースで進め。お前がやりたいようにしろ」
「わたしがやりたいように……?」
幻さんの望みを叶えようとして。
幻さんに、喜んでもらいたくて。
自分の気持ちがよくわからなくなっている。
そりゃあ、抱きしめられたら幸せだし。
キスだって嬉しい。嬉しいけど。
(その先に進む勇気はまだ、ないかもしれない)
「彼氏いくつ」
「18です」
「その年のオトコで、その距離感なら。間違いなくそいつはヤりてえと思うよ。……なんつーか、お前のカラダ触ったり、自分に触れてもらったりしたかったんじゃねえかな」
「……!」
「お前が知りたいのはそういうことだろ。きっと想像もできないこと、願われてたと思うよ。そんなそぶり見せないように気を使われてたんだな」
「……ガマンさせてしまいました」
「そりゃあしてると思うぜ? だけど今朝も送ってきてくれてたろ。そういうことなんじゃねえの」
「そういうこと……?」