総長さんが甘やかしてくる①(※イラストあり)
「鈍いな。つまり、そのゲンさんとやらは、お前抱くためだけに一緒にいるわけじゃねえんだよ」
――!
「一回おあずけくらわされたくらいで愛が冷めるような男ならやめとけ」
「……愛は、冷めてないと……思います」
「だったら悩むな」
「はい! アドバイスありがとうございます!」
「お前がウジウジしてたら目障りだから聞いてやったんだ。ちなみに付き合ってどんくらいになんの」
「……出会って四日目です」
「はあ?」
「運命の出会いを果たして」
「いや言い換えんなきしょいわ」
「……!」
「そいつと同棲してるわけじゃねーのか」
「あっ、居候は、別の男の子のとこに。その方とも出会って四日目なんです」
「どんな人生送ってんだよ」
――どんな人生?
「輝き始めた人生、でしょうか」
「よくわかんねえけど。今が楽しそうだな、お前」
タバコを灰皿に捨てると、ヤンキー座りをしていたサトルさんが立ち上がる。
「わけえなー」
「師匠の恋バナは聞かせてくれないんですか」
「……特にねえな」
「?」
「好きとか愛とか熱心に語れるのは20代前半までだな」