総長さんが甘やかしてくる①(※イラストあり)


サトルさんがなにかつぶやいたとき。


――バイクのエンジン音が停まった。


「うちの店の前で停まったのか?」


サトルさんが心妙な顔つきになる。


「師匠っ……」

「お前は来んな。店の中に入ってろ」


そう言われて店の中に入る。

サトルさんは外を通り表に回っていった。


事務所の窓から、外の様子を覗く。


柄の悪そうな連中が、三人。

サトルさんの前に立っている。


……どうしよう。

サトルさんが怪我させられたり、お店に入ってきて荒らされたりなんかしたら最悪だ。


なんであんな人たちが……この店に。


「いるんだろー、中に」

「女の子」


――!


「出せよ、小僧」


(わたしを狙ってる……誰かなの……?)


だとしたら、わたしのせいで

――お店が危ないっ……。


「幻さん……っ、」


ポケットから携帯電話を取り出した。

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