総長さんが甘やかしてくる①(※イラストあり)
愁さんに『燐さんも呼びたい』と伝えたところ、イヤイヤ電話してくれて、そしたら燐さんが近くにいたみたいで、かけつけてくれた。
『あ、携帯ゲットしたんだ? なら今度はガリ勉くんからじゃなくて、ユウちゃんから連絡してよー。じゃなきゃお姉さんとのデート優先しちゃうかも』
『テメェせっかく俺が頼まれてやったのに……!』
さっそく言い争いをしていた、燐さんと愁さん。
最初こそ二人の喧嘩にはヒヤヒヤしたけれど、今となっては恒例であり、さほど気にしなくなった。
むしろ微笑ましい。
「なにこれー。イモムシ?」
「ウッ……チョココロネ……です」
「ひどいねー。こんなのお店に出せないよね。ああ、だから責任とって持って帰ってきたのか。お金もらってるのに損益だしたんだー」
「おい、燐。さっきからユウの傷口をエグることをばかり言いやがって。初めてなんだぞ。いきなり上手くできるかよ!」
「ごめーん。ボクなんでもできちゃうから。失敗する方が難しいっていうか」
「おいユウ。こいつ呼びたいなんて二度と言うな」
「えっ……そんな! みんなで集まれて嬉しいです!」
燐さんからの嫌味(?)は、もっともというか、わたしも給料以上の働きをしたいと考えているわけで。
重く受け止めて精進したい次第であります。