総長さんが甘やかしてくる①(※イラストあり)


腹を割り

カッコ悪いことも含め打ち明けていくことで


コイツとの距離は確実に縮まっていると、そんな風に思えてならない。


「ていうか。ボクに他に話があるんじゃない?」

「ああ」


燐は、本当にカンが鋭いやつだ。


「朗報ってわけじゃなさそうだね」


ポケットから取り出したタバコを咥える。

ライターの炎で焼かれた先が、明かりを灯す。


こっちの燐が、本当の燐だ。


甘い飴玉なんて咥えねえ。


「聞かせてよ、幻」


義務教育すら終えてねえガキのくせに

なんて目で世界を見てやがる?


自己を偽り。敵を欺き。

己のみを信じ、生きてきた男。


それでも俺はお前ことを――。


「スミレさんのとこに羅刹の連中がきた」


――燐が、目を見開く。


「嘘だろ」

「本当だ。店が襲われかけた。下っ端にだが」

「…………」

「その意味がお前にならわかるな?」

「……宣戦布告」

「ケリをつける必要がある」

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