総長さんが甘やかしてくる①(※イラストあり)


沈黙が続く。


やがて、燐が口を開いた。


「一番怪しいのは、オレだね。ユウちゃんのことも。勤め先も。オレが情報を売ったからこんなにはやく漏れたと考えれば辻褄が合う」

「…………」

「疑ってるんだろ。だからさっきじゃなくて、二人になってこの話を始めた。違う?」


俺は、燐を――、


「疑ってねえ」

「……は?」

「今この話をしたのは、夕烏の前で不安を煽るようなことはしたくなかったからだ。愁や他の仲間たちにも、じきに伝える」


夕烏にはあの場所で仕事を続けて欲しい。

楽しいと言っていたから。

やり甲斐を感じているようだったから。


負い目を感じる必要なんてない。

あいつの不安は俺が取り除いてやる。


そもそもに、夕烏は

俺と関わらせることで余計な危険を背負っている。


謝るなら俺の方だ。


お前が危ない目に合うことを承知で傍にいて欲しいと願う俺の我儘を、どうか許して欲しい。


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