総長さんが甘やかしてくる①(※イラストあり)
「却下」
「そう、ですか」
愁が、近づいてくる。
「これでわかったろ。うちに女子は必要ないんだ。どうしても姫になりたいなら他を当たれといいたいところだが、おそらくは君の条件に合うような仕事ではないだろう。なので別の道を選んだほうが向いてるように思う」
「別の、道?」
「たとえばの話だが。料理が得意なら飲食店で働け」
「……保護者の承諾なしじゃ働けません」
「なら、どこも現実的に厳しいか。もう夜遅い。大人しくうちに帰って今後の身のフリを考えるんだな家出少女。さあ乗れ」
愁が自分のバイクに乗るよう、促す。