総長さんが甘やかしてくる①(※イラストあり)
“ユウ”の目から
どんどん色が消えていくのがわかった――。
……なあ、ユウ。
お前は、ここにいたいのだろう?
「こういうときは、愁がエスコートして乗っけてあげるんだよー。身体支えてさあ」
「はあ!?」
「あ、無理か。キミは女の子の手も握ったことないもんね〜。聞いてよユウちゃん。この愁ってやつさ。実は彼女いない歴イコール年齢――」
「余計なこと言わなくていーんだよ!」
ユウ……って。
「どんな字」
「え?」
「名前」
消えてしまいそうなユウに問いかける。
俺から話しかけられたユウは
ハッキリと、こう答えた。
「夕焼けの“夕”に。烏(カラス)です」
そうか。
夕烏ってのか。
「夕烏。お前の面倒は、俺がみてやろう」