総長さんが甘やかしてくる①(※イラストあり)
ドサリと押し倒された先は、やわらかい場所。
痛くない。
……ここって……。
入口の扉からそう遠くない距離にあったのは、総長さんが普段眠っているであろうベッドだった。
その上に、わたしは仰向けに倒れ込んだ。
総長さんがわたしを見下ろしている。
清潔感のある白いシーツが、二人の重みで沈む。
部屋には――、あまり物がない。
寝に帰ってくるだけの場所という感じ。
それでも、雨も風も防げて。
きっと大好きなバイクに関係する建物で。
見上げれば星の綺麗な街で暮らしているなんて、とっても素敵。
「どこを見ている。まっすぐに俺のことだけ見てろ」
「……っ」
クイッと顎を持ち上げられ
総長さんの顔が、近づいてくる。
――このままキスされちゃうの?