総長さんが甘やかしてくる①(※イラストあり)
この人についていきたいと。
理屈抜きに、そう思えた。
「聞かないんですか。家出の理由」
「聞いて欲しいなら、いくらでも聞いてやる」
今はまだ気持ちに整理がつかない。
「話せるときがきたら、聞いてくれますか」
「ああ。話したくなくなれば、言う必要もない」
「……はい!」
総長さんの言葉で
すっと、心が軽くなっていく。
……それで、総長さん。
結局、“俺の”とは?
思っていたよりずっと総長さんは、
わたしに優しいというか。
甘いというか。
……過保護、というか。
姫でもなく。
恋人でもない。
――キスはしたけど。
(思い出すとまた心臓がドキドキしてきた)
あまり深く考えない方がいいの?
関係に名前がなくても、
大切にされているのも
手放さないと想ってくれているのも
十分に伝わってくる。
そう
まるで、愛犬を可愛がるかのように。
…………。
(ペット!?)
【ミーアキャットの赤ん坊】
(……まさかね?)