能力の純覚醒
「全てを凍りつかせる能力」

リサは呟いた。それを聞いてディサメリーは表情をこわばらせた。

「ほう。まあ能力の強さによる。氷なら溶けるしな。お前、マリア・スクロベェリーは能力を試せ。あちらの部屋だ」

マリアが気づくと、回りをラエサミリース家の分家、ドサエルミーヤ家の者に囲まれていた。そして、そのまま奥の部屋に連行された。

「では次、スクロベェリー家の妹、イリス・スクロベェリー。前へ」

目の前で姉が連れていかれた。イリスは知っていた。今までに生まれた双子は全く違う性質で同じ力の能力を持っている。又は、似た性質の協力の可能な能力を持っている。だからイリスは確信していた。マリアかイリス、少なくともどちらかが永久追放を受けることを。しかし、それは前からわかっていたこと。今さら臆することもない。そう判断した。

「お前、自分の能力に自覚は?」

「いいえ」

「はぁ、またか。リサ」

リナサミ・ラエサミリースは先程と同じようにイリスの前に立った。そして、手をかざした。

「全てを焼き払う能力」

イリスはぎょっとした表情をした。こんなに危険だとは思わなかったからだ。

「決まりだな。永久追放だ。います…」

話している最中にドサエルミーヤ家の者が来てディサメリーに耳打ちした。

「そうか。イリス・スクロベェリー。良い知らせがあるぞ。双子揃って永久追放だ。今すぐ我が姉、ヨミエル・ラエサミリースに能力を一時的に封じさせる。国の果ての結界の内側で一生を終えるが良い」
< 3 / 6 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop