能力の純覚醒
二人は夜の暗い森の道を歩いた。灯りには困らなかった。近くの葉を凍らせ、それを弱い炎で灯すと、かなり明るかった。不思議とイリスは火傷知らずだったが、今となっては説明がつく。
「マリア、落ち着いた?」
「うるさいわね、ずいぶん前に落ち着いたわよ」
それでも暗くて知らない道を歩いていて不安な二人は、そんな話でもして誤魔化していた。
ほとんど一晩中歩き、日が昇る頃の時間になったとき、二人は持っている灯り以外の灯りを見つけた。二人は笑顔になって走っていった。
そこは小さな集落になっていた。結界を抜け出したかと思うほどの立派な集落には人の気配がほとんどなかった。いたとしても、一人…。それも、人間らしい気配じゃなかった。
ガサッ――――。
家の方じゃない、二人の来た道の方から草の音がした。二人は警戒し、すぐに振り返り、音の主を目に捉えた。
「あーあ、油断しちゃった。ヤッホーお二人さん。新入り?」
音の主は今まで二人が見た中で一番野性的だった。さすがに馴れ馴れしく話しかけてきたので、イリスは警戒を強めた。
「あなたは?」
「ルーラム。ルーラム・キラナフーサ。『全ての悪夢を知覚する能力』だよ。お二人さんも名乗ってくれるかな?」
「私は、マリア。マリア・スクロベェリー。『全てを凍りつかせる能力』よ」
イリスが警戒し、疑っていると、マリアが先に口を開いた。イリスは、それに驚いてマリアの方を見たが、マリアは、いいから、というようにイリスを見つめていた。
「イリス・スクロベェリー。『全てを焼き払う能力』」
ルーラムは、そんな自己紹介をニコニコと笑いながら見ていた。ルーラムは手招きをして二人を森の方へ誘った。
「そうかそうか、じゃあマリア、イリス。そこはもう息をしてる人は誰もいないよ、こっちにみんな住んでるから」
「マリア、落ち着いた?」
「うるさいわね、ずいぶん前に落ち着いたわよ」
それでも暗くて知らない道を歩いていて不安な二人は、そんな話でもして誤魔化していた。
ほとんど一晩中歩き、日が昇る頃の時間になったとき、二人は持っている灯り以外の灯りを見つけた。二人は笑顔になって走っていった。
そこは小さな集落になっていた。結界を抜け出したかと思うほどの立派な集落には人の気配がほとんどなかった。いたとしても、一人…。それも、人間らしい気配じゃなかった。
ガサッ――――。
家の方じゃない、二人の来た道の方から草の音がした。二人は警戒し、すぐに振り返り、音の主を目に捉えた。
「あーあ、油断しちゃった。ヤッホーお二人さん。新入り?」
音の主は今まで二人が見た中で一番野性的だった。さすがに馴れ馴れしく話しかけてきたので、イリスは警戒を強めた。
「あなたは?」
「ルーラム。ルーラム・キラナフーサ。『全ての悪夢を知覚する能力』だよ。お二人さんも名乗ってくれるかな?」
「私は、マリア。マリア・スクロベェリー。『全てを凍りつかせる能力』よ」
イリスが警戒し、疑っていると、マリアが先に口を開いた。イリスは、それに驚いてマリアの方を見たが、マリアは、いいから、というようにイリスを見つめていた。
「イリス・スクロベェリー。『全てを焼き払う能力』」
ルーラムは、そんな自己紹介をニコニコと笑いながら見ていた。ルーラムは手招きをして二人を森の方へ誘った。
「そうかそうか、じゃあマリア、イリス。そこはもう息をしてる人は誰もいないよ、こっちにみんな住んでるから」