イジワル執事と王太子は伯爵令嬢を惑わせる
「本日はここまでにいたします。明日はこの課題についての諮問をおこないますので、各自自習をおこたりませぬよう」

 そう言ってルースは軽く礼をすると、部屋から出て行った。アディは、大きく息を吐きながら机に突っ伏す。

「こんなに覚えるの、無理いいい」

「泣き言を言っている間に、年代の一つでも記憶なさったらいかが?」

 愚痴を言ったアディに、エレオノーラの冷たい言葉が落ちてくる。

 王宮にきて一週間になる。その間に、アディも次第にエレオノーラやポーレットと話すようになってきた。




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