イジワル執事と王太子は伯爵令嬢を惑わせる
「邪魔をしてしまったのね。お相手がいるのに気づかなくてごめんなさい。お気を悪くされたかしら」

「大丈夫よ。もう話は終わったところだったの」

「お知り合いの方なの?」

 ポーレットの侍従という雰囲気ではなかった。アディは彼女がこの王宮に親しく話をする人物がいるとは意外な気がした。

「わたくしのおじなの。こちらへ来ることが決まってからとてもお世話になっていて、今もわたくしのことを心配してくださったのよ」

 それを聞いてアディは、ああどうりで、と納得する。それで彼は、アディをにらんでいったのだ。

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