イジワル執事と王太子は伯爵令嬢を惑わせる
「図星、でしたか?」

 その言葉を聞いて、ルース――テオはにやりと笑った。

「生意気な口をきく。どうやらお仕置きが必要らしいな」

「え……」

 テオは、アディを抱き上げると、ふわりとソファへと押し倒した。

「あのっ、テオフィルス様っ……!!」

「覚悟しろ。もうずっと我慢していたんだ。ようやく、お前に触れられる」

「でも……んっ!」

 アディの上にのしかかったテオは、アディの文句を言葉ごと飲み込んだ。抑え込む力の強さとは裏腹に、長い指が優しくアディの頬をなぞる。

「……ん……」
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