イジワル執事と王太子は伯爵令嬢を惑わせる
現王までの歴史をそらんじ終えたエレオノーラに、ルースは大きく頷いてわずかに笑んだ。
「大変結構です、エレオノーラ様。さすが、博識で誉れ高いメイスフィール公爵のご令嬢です。素晴らしいですね」
エレオノーラは表情を変えないまま、ちらりとルースを見上げた。
「今更わたくしには必要のない講義のようです。退出しても?」
「そうですね。三代目国王と八代目国王のお名前をお間違いのようでしたので、スペルからもう一度記憶し直してください。それに、トウミ王朝を代表する絵画『春の少女たち』の作者はアベライドではなくアベラビーバです。アベライドは『少女たちの春』の作者ですね。国を代表する芸術家ですので、ぜひとも正しく覚え直しましょう」
笑顔で言われて、エレオノーラは憤然とした面持ちになった。
「大変結構です、エレオノーラ様。さすが、博識で誉れ高いメイスフィール公爵のご令嬢です。素晴らしいですね」
エレオノーラは表情を変えないまま、ちらりとルースを見上げた。
「今更わたくしには必要のない講義のようです。退出しても?」
「そうですね。三代目国王と八代目国王のお名前をお間違いのようでしたので、スペルからもう一度記憶し直してください。それに、トウミ王朝を代表する絵画『春の少女たち』の作者はアベライドではなくアベラビーバです。アベライドは『少女たちの春』の作者ですね。国を代表する芸術家ですので、ぜひとも正しく覚え直しましょう」
笑顔で言われて、エレオノーラは憤然とした面持ちになった。