エレディンの乙女と青龍の守護者


「ーーー、、ゥェルロイドさまぁー!!、、」
澄んだ空を二つの光が走り去った。

眩しいばかりの黄金の光と、空に溶けたような蒼白い光。

「行ってしまわれた、、」
カミュの呼び声は主人には届かなかったかもしれない。とにもかくにも、上空に飛び上がり対峙していた主人ウェルロイドと、シュナイン王子の姿はあっという間に飛び去り見えなくなってしまった。

「カミュ団長!」
「ん?」
振り返ると、わらわらと集まり始めた民衆とそれを抑える騎士たちの人垣だ。
「あー、、」
カミュは短髪をガシガシと掻いた。

騒ぎが大きくならないよう、ひとまず野次馬整理が必要そうだと思った。
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