エレディンの乙女と青龍の守護者
15.狙うもの
「遅かったか、、!」
街から少し離れた開けた土地に降り立つなり、
ウェルロイドは小さく漏らした。
シュナインは上衣の裾を音を立てて払った。
「臭うな。」
「この辺りには無いはずの人狼の毛が散っている。」
ウェルロイドは足元を見る。土の上にはいくつもの足跡が残っていた。
「先程の光の柱は、やはり赤獅子。
乙女を連れ去ったか。」
シュナインの陶器のような顔のその鼻筋に、しわが寄った。
「気に入らん。」
一瞬、狐の面のような形相に変わる。