エレディンの乙女と青龍の守護者
「ハイメル公シュナイン様にて動きがありました!さきほど黄金宮に高位の神官を送られるのが確認されました!」

「何?!」
カミユが大きくウェルロイドを振り返ったが、ウェルロイドは微動だにしない。

「それで、シュナインは何か宣言を出したか?」
「いえ、何も出されておりません!」
「わかった。引き続き報告してくれ。」
「はっ!」

足音が遠ざかっていく。






「ウェルロイド様、まさかあちらにも、、
乙女が同時に二人も降りてくるなどー、、、」
ウェルロイドの手が小さくさっと上がった。
「待て。黄金宮で乙女が降りたとの宣言は出されていないのだ。
カミユ、焦るな。」
カミユはこくこくと大きく頷いた。

ウェルロイドは顎に手を当て確認するように小さく声にする。
「私が感じたあの風、
乙女が来たと告げていたあの風は、

ここ《青の宮》だけではなかったということかー、、」


「カミユ、
赤の宮でも動きがあったかもしれん。
至急確認を取らせろ。

「アルザワ公ライアス様も動かれると!?
至急確認致します!」

「乙女が同時に、複数現れた話は聞いたことがない。乙女は常にひとりだった。

、、ん?」


腰のあたりがぐんと重くなった。
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