エレディンの乙女と青龍の守護者
カティナはそっと額に手をやった。


「みんな、早まるな!」
ハデューが冷静を促す。

「わ、、私は、、まだどなたにも、、!」
身体にかかる毛皮をかき集める。

「私は物ではありません、、!」


今は、発光によるものなのか、身体が火照っているのか、どちらによるものなのか判別のつかない熱を帯びた肌を、隠すようにぴったり毛皮を寄せ集める。

「そうだ。」
けれども、大勢に向き合っていた瞳は、
いとも簡単に引き戻されてしまう。
「!」
「なぁ?」
ごつごつした大きな手が、カティナの頬をぐいっと引き戻したのだ。
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