エレディンの乙女と青龍の守護者

分厚い金色の輪に、一面に青と白の石で施された青龍の模様がある。

「青龍の守護者だ。」

なぶるような強風が吹き付ける。
果物や皿やらが吹き飛ばされ、
あちらから彼を呼ぶ仲間の声がする。
隅々まで、全てをかっさらうような風だ。

だがその風は、カティナの身体の外側にのみ吹き付けている。カティナは赤い膜に包まれたように風にぴくりともしない。
『赤獅子の守護者の力だろうか?』

見上げるとライアスがうなづいた。

「今は私の守護下にある。私から離れない限り
シュナインにお嬢ちゃんの居所は伝わらない。

私は守護者だが、奴らとは違う。」

「何が違うのです?」
カティナの眉根が寄せられる。
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