エレディンの乙女と青龍の守護者
「ああ、もちろん。」
ウェルロイドのほうでも、彼女の存在を確かに感じていた。

『この立ち昇るような、甘い香りー、、』

柔らかく水々しい彼女の肌には、今は無数の擦り傷ができている。
それらが痛ましく、ウェルロイドは自らにはがゆさを感じた。


そっと彼女の背を撫でる。



栗色の瞳がこちらを向いた。

肌は汚れ、身なりがどのようであっても、その瞳は凛として美しい。
『不思議な娘だ。』

カティナはふるふるっと頭を横に振った。
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