エレディンの乙女と青龍の守護者

「でも、、おかしいんです。」

「?」

カティナのその手は額に触れている。


「赤獅子の、守護者の印も浮かんでいなくて、、」


「どういうことだ?」

カティナが瞳を上げた。
「突然抱き上げられて、乙女だと知られてしまったんです。服はその時に破れー、、あの時、
確かに唇を塞がれたようでしたのに、、」

大きな茶色い瞳が記憶を辿るように揺れる。

「赤獅子の印は現れなかったんです。」

「口づけを、祝福を許したということか?」
< 168 / 225 >

この作品をシェア

pagetop