エレディンの乙女と青龍の守護者


カティナから先ほどまでの抵抗が消えた。
それを承諾と見なし、ウェルロイドの唇が降りてくる。





「貴方に感謝しています。」

大きな瞳はふるふると揺れているけれど、
泣いてはいない。
ウェルロイドはカティナの唇のすぐそばで
動きを止めざるを得ない。
ウェルロイドは声が漏れるほど、深く深く息を吐き出した。


「なんと伝えたらいいのかわかりませんが、」
カティナは肩の大ぶりの腕輪を見やった。

「私は何度も貴方に助けられました。
ウェルロイド、貴方は私を気遣ってくださっていた。

赤獅子に連れて行かれ、そのことがわかりました。

感謝しています。
だからこんな、強引なことではなくてもー、」

「わかった。」
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