エレディンの乙女と青龍の守護者

「いやぁ、なんと!」
「素晴らしいですな!」
「このように慶事が重なるとは!」
「なんと素晴らしい!」

拍手の嵐が起こっている。
国政の重鎮諸侯やら大神官やらは諸手を挙げての大賛成だった。
「お父上と同じく女神からの乙女を賜わるとは、
余程のご縁がおありなのです!」
大神官らは大変有り難そうに目を細める。

「反対など誰がいたしましょうか!」
「この国の者でこのご結婚に反対する者など誰ひとりとて!」

そう、女神からの繁栄という祝福をもたらす乙女を妻にすることに喜ぶ者はいても、国内で反対する者はいなかった。正妃の座を娘に、と狙っていたであろう重鎮の諸侯らでさえ、この結婚に反対することはなかった。
「護りは固めませんとな。」
「ええ、もちろんです!」

そして彼らは国のお妃となる乙女を守る為、我こそはと護衛すら買って出た。

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