エレディンの乙女と青龍の守護者
「カティナ?

こちらを見て。



そのブレスレットが私にカティナの危機を知らせたほどだ、貴女にはかなりの衝撃があったのだと思う。

外傷はないようだが、やはり医務員を呼ぼう。」

「はい、それがよろしいかと。
すぐ呼びにやらせましょう。」
シロカが部屋の外へ声をかける。

ウェルロイドは、報告の神官が着く前に
ブレスレットから異変を感じ、すぐに駆けつけたのだった。
守護者の印があれば、守護者と心で会話ができるらしいのだが、それがないのでこの大ぶりのブレスレットを万一のためにと渡していたらしい。


『ブレスレット、、』
カティナはマントの下の大ぶりのブレスレットに触れる。黄金の鷹の守護者、シュナインの身内だろうか他の何者かの手に掴まれ捻りあげられた時に、青い閃光を放って護ってくれたのはこのブレスレットだった。
確か、『離れていても護れるように』とそう言われて渡されていた気がする。
そう、名前を贈られた時に、、、


◇◆◇
カティナという名を贈られた時だった。

「それからー、、」と言って、
ウェルロイドはその場で自分のブレスレットを外すと
カティナの腕をとり、そこに通した。

「私から離れていても貴女を護れるように、
青龍の守護があるように。
これを付けておくとよい。

随分大きいな。」
< 56 / 225 >

この作品をシェア

pagetop