エレディンの乙女と青龍の守護者
9.再び幼な子
ウェルロイドは眉根を寄せていた。

肩にかかる輝くような明るい金髪が
頬に触れるのも構わず、顎に手を当て思案する姿は
美しい彫刻のようだ。


見つめる先には小さなカティナがいる。
ようやく落ち着きを取り戻してはいるが、
ぎゅっと合わせた唇が白い。
幼な子に戻ってしまったカティナは
肘掛と背もたれの付いた立派な椅子に、
ウェルロイドと向かい合うようにして
座らされている。
サイズの合わない服は、ずり落ちないよう
身体に巻きつけてある。
二の腕に押し込むように付けていた青龍の腕輪も
幼な子には大きすぎて、今はウェルロイドの手の中だ。それを指先で触れる。

『どうしたものかー、、』





「とりあえず、
もう一度抱いてみてはいかがです?」


主人の思案を他所に、
部屋に戻ってきていたカミユが発したこの言葉に、
ウェルロイドはより眉根を深く寄せる。
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