エレディンの乙女と青龍の守護者
10.陶器の顔
「何もおっしゃらないのですね。」
美しく豪華な室内。
たっぷりと毛足の長い真紅の絨毯が敷かれている。
金色の椅子に座る人物は、陶器のように美しい顔を少し傾けたのか、頭に載せた金銀の豪華な頭飾りがわずかに揺れた。表情は無い。
艶やかな黒地に金糸で模様の織り込まれた羽織、だが
先ほどまでとは違い、格段と豪華な装いに変わっている。
シュナインは城に戻っていた。
アデルの指示で楽隊がゆるやかな音楽を奏でる。