ホットホットドリンク
case.Cafe au lait
南野沙羅は、熱烈な恋をしたことがない。
あの人のことが好きかもしれない、と思い始めて、彼のことを知ろうとする頃にはもうすでに、彼には彼女ができていたりするのだ。
そうなったら、本当に彼のことが好きだったのか、彼に彼女がいると聞いて自分がショックを受けているのか、自分でも分からなくて、宙ぶらりんになった気持ちは曖昧に押しやられる。
そんな沙羅が今気になっている──と思う──人は、同じ大学同じ学部の中西陸である。
男子の友人といるときは普通に笑って年相応に見えるのに、一人で佇んでいたりすると、途端に大人びて見える。
そういうミステリアスさが女子に人気で、結構モテる。
ただ、特定の彼女はいないらしい。
中西のことが好きなのか、沙羅にはまだ分からない。
気に、なっては、いるのだ。あの日から────。
あの人のことが好きかもしれない、と思い始めて、彼のことを知ろうとする頃にはもうすでに、彼には彼女ができていたりするのだ。
そうなったら、本当に彼のことが好きだったのか、彼に彼女がいると聞いて自分がショックを受けているのか、自分でも分からなくて、宙ぶらりんになった気持ちは曖昧に押しやられる。
そんな沙羅が今気になっている──と思う──人は、同じ大学同じ学部の中西陸である。
男子の友人といるときは普通に笑って年相応に見えるのに、一人で佇んでいたりすると、途端に大人びて見える。
そういうミステリアスさが女子に人気で、結構モテる。
ただ、特定の彼女はいないらしい。
中西のことが好きなのか、沙羅にはまだ分からない。
気に、なっては、いるのだ。あの日から────。