ホットホットドリンク
その日、沙羅は大学の教授に荷物を運ぶよう言いつけられていた。

今までにもそういうことは何度かあったが、今回の荷物の量はかなり多く、しかも重かった。

沙羅には友だちは多くない。

しかも沙羅自身、友だちに頼みごとをできる性格ではなかった。むしろ頼まれて引き受ける側である。

よって、かなりの量の荷物を一人で隣の棟まで運ぶことになった。

苦痛ではなかったがさすがに面倒なので、往復する回数を減らせるように一度にたくさん運ぶ作戦をとったのだが、それがまずかったかもしれない。

階段を下りているときに、足を踏み外したのである。
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