ホットホットドリンク
「あ……中西くん、だよね」
学部が同じで女子がよく話している、というのが、中西に対する沙羅の最初の認識だった。
「おう。南野さんだよね。大丈夫?」
「あ、大丈夫……ごめん、ありがとう」
足元を確保して、沙羅は中西から離れた。
女子にモテる彼は、話したことも数えるほどしかない自分の名前を知っていた。
その事実が、微かに心をくすぐっている。
中西は無言で階段を下りて、派手に散らばった書類を拾い集めている。
沙羅も慌てて回収した。
一番重たいダンボール箱をよく見てみると、底の部分が変形している。
学部が同じで女子がよく話している、というのが、中西に対する沙羅の最初の認識だった。
「おう。南野さんだよね。大丈夫?」
「あ、大丈夫……ごめん、ありがとう」
足元を確保して、沙羅は中西から離れた。
女子にモテる彼は、話したことも数えるほどしかない自分の名前を知っていた。
その事実が、微かに心をくすぐっている。
中西は無言で階段を下りて、派手に散らばった書類を拾い集めている。
沙羅も慌てて回収した。
一番重たいダンボール箱をよく見てみると、底の部分が変形している。