ホットホットドリンク
「あちゃー……」
歪んだダンボール箱を前に絶望的な気分になっていると、中西が歩み寄ってきて沙羅に集めたプリントを手渡した。
「あ、ありがと……」
沙羅のお礼の言葉は途中で止まる。
中西がそのまま、自然の流れで屈みこみ、ダンボールを抱えあげたからだ。
「え、中西くん、それは……」
「そんなやべえって顔しなくて大丈夫だろ。中身は多分無事だろうし。ダンボールは俺が運ぶよ」
「いや、そんな迷惑はかけられないよ。ただでさえ迷惑をかけちゃったのに」
「無理だろ、そんな細腕でこんな荷物運ぶなんて。今までよく持ててたな、俺でも重いぜ? どこまで?」
「隣の棟の教授の部屋まで……」
「遠っ」
軽い感じに呟いて、中西は歩き出す。
沙羅も慌ててプリントを抱え直し、追いかけた。
歪んだダンボール箱を前に絶望的な気分になっていると、中西が歩み寄ってきて沙羅に集めたプリントを手渡した。
「あ、ありがと……」
沙羅のお礼の言葉は途中で止まる。
中西がそのまま、自然の流れで屈みこみ、ダンボールを抱えあげたからだ。
「え、中西くん、それは……」
「そんなやべえって顔しなくて大丈夫だろ。中身は多分無事だろうし。ダンボールは俺が運ぶよ」
「いや、そんな迷惑はかけられないよ。ただでさえ迷惑をかけちゃったのに」
「無理だろ、そんな細腕でこんな荷物運ぶなんて。今までよく持ててたな、俺でも重いぜ? どこまで?」
「隣の棟の教授の部屋まで……」
「遠っ」
軽い感じに呟いて、中西は歩き出す。
沙羅も慌ててプリントを抱え直し、追いかけた。