ホットホットドリンク
ほうと軽く息をついて、沙羅はノートを鞄から出し始める。

そろそろ講義が始まる。

「あ、南野。ここいい?」

「浦田。いいよ」

「サンキュー」

と言って隣に座ったのは、同じ講義を取っている浦田だ。

浦田は、沙羅にとって一番よく話す男子かもしれない。父親、弟を除く。

浦田にはうるさいところがない。世間話はよくするけど、お互いの距離感を弁えているところがいい。付き合いやすい友だちである。
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