ホットホットドリンク
「ただいまー」

自宅に着いた翔は二階の自分の部屋に急いだ。

ごろごろしながら奈子と話したいからだ。

「なー翔ー、好きな人に好きになってもらうにはどうすればいいと思う?」

「そんなこたー知らーん」

「くっそこれだから彼女持ちはいやなんだ」

「兄貴だって彼女いたことあったろ」

「今はちげーもん」

「甘ったるい言葉でもささやいてみれば? ココアみたいなさ」

「カフェオレくらいの甘さが絶妙でいいと思うんだけどなー」

だべりたいらしい兄をかわして自室のドアを閉めた。

鞄を放り投げてスマホを取り出す。

奈子にはワンコールで繋がった。
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