ホットホットドリンク
case.Milk
怒ったようなふりをして出ていく奈子と、奈子を追いかけていった奈子の先輩彼氏を眺めながら、七瀬は呟いた。

「あの人らもよくやるよな。見てる方が恥ずかしいわ」

「ほんとだよねー」

独り言のつもりだった言葉に答えたのは、同じクラスの三上凛だった。

「ね、七瀬ー。今日も勉強してくのー?」

「そのつもりだけど?」

「じゃー私も一緒に勉強してっていー? てか教えてくれる?」

「別にいいよ」

「よっしゃー。七瀬がいれば次のテストも乗り越えられるー」

「あのさあ三上。お前はもーちょっと危機感持てな?」

「ききかん?」

「危機感くらい漢字で言えや」

きょとーんとした顔を作ってみせた三上の頭に、七瀬は軽く拳を落とす。
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