ホットホットドリンク
ホットチョコレートが冷めた。

真由はゆっくりとそれを口に含む。

あの日私は彼に媚薬を飲ませたのだ、と真由は思っている。

彼に飲ませた媚薬を、彼の口によって自分にも移された。

真由のことしか見れなくなる恋の媚薬。悠斗のことしか見れなくなる恋の媚薬。

真由がマグカップから口を離した隙を見て、悠斗が横から手を伸ばした。

マグカップを取り上げて、一口飲む。

喉仏が上下するのをぼんやりと見ていた。
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