溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】
「これは、思ったよりも難航しそうだな」
「難航? ……どういうことですか?」
「さぁな」
質問に答える気はない、と言わんばかりにクスリと笑われて、思わず眉根を小さく寄せてしまう。
穂積課長は困り顔ではなくなっていたけれど、私を見つめる瞳がなにか言いたげなことだけは察することができた。
それを話すつもりはないのだろうと感じている私の読みは、きっと当たっていて……。
このままだと、確実にまた課長のペースに巻き込まれてしまう。
「あぁ、そうだ。ひとつだけ」
「なんですか?」
「たしかにまぁ、莉緒は仕事ができるようなタイプではないかもしれないし、美人でもない」
ごく普通に紡がれた言葉に、一瞬表情が固まってしまった。
最初にそう言ったのは私自身だけれど、それをわざわざ口にするなんて穂積課長は意地悪だ。
自覚していることを丁寧に教えてくれなくてもいいのに、と心の中で悪態をつきながらも、黙ったまま課長が続きを話すのを待っていた。
「難航? ……どういうことですか?」
「さぁな」
質問に答える気はない、と言わんばかりにクスリと笑われて、思わず眉根を小さく寄せてしまう。
穂積課長は困り顔ではなくなっていたけれど、私を見つめる瞳がなにか言いたげなことだけは察することができた。
それを話すつもりはないのだろうと感じている私の読みは、きっと当たっていて……。
このままだと、確実にまた課長のペースに巻き込まれてしまう。
「あぁ、そうだ。ひとつだけ」
「なんですか?」
「たしかにまぁ、莉緒は仕事ができるようなタイプではないかもしれないし、美人でもない」
ごく普通に紡がれた言葉に、一瞬表情が固まってしまった。
最初にそう言ったのは私自身だけれど、それをわざわざ口にするなんて穂積課長は意地悪だ。
自覚していることを丁寧に教えてくれなくてもいいのに、と心の中で悪態をつきながらも、黙ったまま課長が続きを話すのを待っていた。