溺愛誓約〜意地悪なカレの愛し方〜【コミカライズ配信中】

「辛さが控えめなら食べたいです」

「あれ？　辛いの苦手？」

「いえ、人並み程度のものなら平気です。でも、カレーはちょっと甘みが感じられる方が好きっていうか……」

「あぁ、それわかる。僕、カレー屋さんに行くと、あえてスタンダードとかおすすめよりも一段階くらい甘めのやつを頼んだりするよ」

「それ、わかります！　私もおすすめよりも甘いやつを選びます」

「へぇ、気が合うね」

「そうですね」


穂積課長と好みが似ているのかもしれないという親近感に思わず笑みを零すと、課長もキリッとした二重の瞳を緩めて微笑んだ。
穏やかな笑顔は癒し系そのもので、会社だというのにほっこりと和む。


「カレーって、無性に食べたくなる時ない？　意外と家では作らないし」

「なりますねー。むしろ、家でひとり分だけ作るのって面倒ですし、カレーは外でしか食べなくなりました」


そのままカレー談義に花が咲き、どこのカレー屋さんが美味しいとかトッピングはなにが好きかとか、営業部のフロアに着くまでに楽しい会話を交わした。